Oceans Ate Alaska「Hikari」レビュー
Oceans Ate Alaska「Hikari」
1.Benzaiten (feat. Alex Teyen)
2.Sarin
3.Covert
4.Hansha
5..Deadweight
6.Veridical
7.Entrapment
8.Hikari
9.Birth-Marked
10.Ukiyo (feat. Josh Manuel)
11.Escapist
レビュー書かずにはいられない。遂に。
メタルの聖地イギリス・バーミンガム出身のメタルコア、Oceans Ate Alaskaの通算3枚目のアルバム。
大ファンの自分からすると待ちに待った作品。
去年年末にオリジナルボーカリストのJames Harrisonが脱退し新ボーカルJake Noakesを迎えての第一作目ということもあり少し心配していた所もあったけど見事にやってくれてとても安心したというのが一番。
路線は前作Lost Islesに引き続きプログレ、ブルデス、デスコア、マスコア、メタルコア、叙情ハードコアなどのジャンルが入り乱れたごった煮状態に変拍子を取り入れるという変態構成だけどボーカルのクリーンパートが増え、よりメロディックになった印象。
インタビューでアルバム名や曲に「和」の要素を取り入れたと語っていたこともあり、Black TongueのAlex Teyenがゲスト参加している#1も雅楽のようなSEに攻撃的な刻みを乗せたイントロから始まり高速ブラストビートから一気に叙情パートへと駆け抜け、後半は凶悪なビートダウンとAlexのグロウルで締める強烈な1曲。
Djent的なアプローチからビートダウンを繰り返し、爽やかな疾走から叙情パートへ...と思いきややっぱり落として終わる#2。
シングルカットで先行公開されOAAにしては無茶してないなーと思った#3。これでも十分聴きごたえあるから掴みはこれぐらいでも十分かもしれない。
#4は何の変哲もない叙情要素の強いメタルコア...と思わせてブレイクダウンだけは2段階ビートダウンのOAA仕様。
一番個人的に好きかつカオスな印象の#5。ブラスト変則刻みと不協和音ピロピロ→叙情クリーンから凶悪ブレイクダウン→静寂の流れが本当にたまらん。
琴の美しい旋律に変則チャグパートを乗せたインストナンバーの#6。
#7は1stアルバムの路線に近い。他の曲より展開が少なくてチャグコアを変拍子にした感じ。あまり特筆すべき点がないけど強いて言えばメロがポップで聴きやすい。
そして一番驚いたのが#8のタイトルトラックでもある「Hikari」。イントロからがっつりおジャズをやっておられる。#11の「Escapist」でもジャズっぽいアプローチは見せているけどまさかここまで踏み込んでやるとは思わなかった。ドラマーのChris Turnerのテクニックと引き出しの多さは本当に人間離れしている。ていうかなんでこの界隈にいるの...
OAA節炸裂の#9。今までの要素を3分間にこれでもかと詰め込んでエモくなったかと思えば凶悪になり疾走したかと思えば極端に遅くなる。HENTAIの極み。
プレイスルーも公開されているインスト#10。IssuesのドラマーJosh Manuelが参加。二人とも気持ち悪いですなあ。
そしてこちらもシングルカット曲#11。こちらも他の曲に比べると展開が少ないように感じるけれどもビートダウンと変拍子の応酬。
これもプレイスルーが公開されてる。メタルコア界隈で使ってるバンドはOAAぐらいだろうと思われるグラビティブラスト(リムを利用して片手でスネアを連打)を披露。
総合評価として個人的にはクオリティも申し分なく文句なしに名アルバムだと思う。
しかしJames Harrisonが抜けたのはやっぱり痛かった。グロウルやデスコア的なスクリームは確実にJamesのが上手かった。クリーンの上手さは流石にJakeに軍配が上がるけどボーカリストとしての存在感というかフロントマンとしてはJamesのが有能だった気がする。
それと今作は誰やってるか知らないんですけどミックスとマスタリングは前作と同じくJosh Wickmanにやって欲しかったな…
あとは絶対聴く人選ぶ。感じ方聴き方人それぞれだし、ポップなのとかお約束のVerse Bridge Chorusでブレイクダウンって展開が好きって人には全然オススメできないけど爽やかさと重さのギャップとかビートダウンとか捻くれたオタクにはとてもオススメできます。気になった人は聴いてみてね。